本物の家具職人ハンスJ. ウェグナーが手がけた名作家具たち

Hans J wegner
ハンス J. ウェグナー(1914-2007)

創造性と独創性に溢れれたデザイナー、そして椅子の巨匠。

92年の生涯で500脚以上の椅子をこの世に生み出し、家具を知るうえで彼を知らない人はいないくらいのデザイン界の巨匠です。

造形的な美しさだけでなく、使い心地や座り心地、機能面に徹底的にこだわった彼は本物の家具職人であり、“努力の人”とも言われています。

フィンユールは建築家でそのデザインには華があるが、木工の技術や知識などは、家具職人のウェグナーにはかなわない。素材も構造も知り尽くしているのがウェグナーだと。座り心地や耐久性、全てにおいて及第点を取りに来ているのがウェグナーの家具

何かの書籍で椅子研究家の織田憲嗣さんが話していた言葉。本当にウェグナーを知り尽くしている人の言葉だと感じました。

また、ウェグナーのデザインには過去のデザインスタイルを参考にする“リデザイン”という考えがあります。中国の明代の椅子をモチーフにし、ウェグナーのデザインとして最初に知られるようになったチャイニーズチェアもその一つです。

『故 (ふる) きを温 (たず) ねて新しきを知る』の温故知新の考えから生まれている“リデザイン”。

後年、自身の作品の模造品が世界中で造られていく現状に対しても、「自分のデザインを超えたと思えるものであればまねされても結構である」と語ったウェグナー。まさに本物の家具職人だなと、とても感心させられました。

当店にもハンス・J・ウェグナー数々の名作が入荷しています。彼の作品と共にご紹介します。

Yチェア CH24
世界で最も売れているチェア


彼のデザインの中でも最も売れているといってもいいYチェア。この椅子こそ、中国の古い椅子からチャイニーズチェアと呼ばれるいくつものチェアを造り、リデザインを繰り返したどり着いた名作です。

古くから木工芸や木造建築に親しみのある日本人の気質にマッチし、日本では年間5000~6000脚もYチェアが販売されています。すごいですね。それに加えこのデザイン性と機能性。Yチェアを多くのデザイナーや建築家が勧める理由がわかります。

リスタイルでもその人気はすさまじく、いつもすぐに売り切れてしまいます。Yチェアは、木部の種類やカラー、仕上げも様々で飽きることがありません。

そしてここまでの人気を誇ると模倣品(リプロダクト)も多く出回っています。ただ、正規品と比べると造りが全く違います。

最近ではかなり精巧に作られた偽物もありますが、やはり本物と比べると違いが分かります。


“リデザイン”という考え方で造られたものでも、デザイナーがその造りを尊重し咀嚼したうえで新しく表現されたものであれば、別のデザインになるはずです。ただ形だけをマネして模倣したものとは別物です。

「まねされてもかまわない、構造的、技術的に自分のデザインを超えたと思えるものであれば結構である」このウェグナーの言葉は家具だけでなく、デザインを扱う者の心に響く言葉ですね。

リスタイルは様々なユーズド家具を扱っていますが、リプロダクトやジェネリックと呼ばれるものは一切取り扱っていません。多くのデザイナーやメーカーに敬意を表して、“良いものをもっと身近に多くの人に”と販売しています。

Yチェア オーク材 オイルフィニッシュ ナチュラル


オークのオイルフィニッシュ、王道かつ一番人気のナチュラル色です。

Yチェア ビーチ材 ソープフィニッシュ ナチュラル


ビーチのソープフィニッシュも人気があります。

Yチェア ウォールナット材 オイルフィニッシュ ブラック


フレームがウォールナットのYチェアはとても貴重。さらに黒色の座面でますます貴重なYチェアです。座面がブラックだと超カッコイイですね。ウォールナットの家具で揃えている人には一押しです。

Yチェア ビーチ材 ソープフィニッシュ ブラック ウェグナー生誕90周年モデル


『Hans J Wegner 90th birthday』のプレートがついたウェグナー生誕90周年モデル。ビーチのソープフィニッシュにブラックの座面、とても希少な限定モデルです。

Yチェア ビーチ材 ブラック塗装 ナチュラル


ナチュラルのフレームもいいですがブラックのフレームも素敵ですね。ビーチ材はブラック塗装も選べるので個性が際立ちます。

Yチェア ビーチ材 シルバーグレー塗装 ナチュラル


ブラックのフレームに加えシルバーグレーのフレームもあります。こちらはとても希少なカラーです。

Yチェア エルム材 オイルフィニッシュ ナチュラル ウェグナー生誕103周年モデル


2017年にウェグナー生誕103周年を記念し、限定300脚だけ造られたチェア。しかも販売期間はたったの1日です。ビーチ材やオーク材とも違うツルっとした滑らかなエルム材が特徴です。

ベアチェア AP19
まるで母グマに抱かれているような感覚のソファ


ウェグナーの椅子の中でも、特に座り心地がいいと評される“ベアチェア”。定価で購入すると200万円は軽く超えるチェアです。

誰もが憧れるこのチェアは、その名の通り母ぐまに抱かれるような安心感があります。当店でも入荷は珍しく、入ってきたときはスタッフ一同ワーキャー喜んでいました(笑)

深くゆっくりと腰かけてみると、まるでパーソナルスペースのように安心感があります。この感覚はアルネ・ヤコブセンの代表作エッグチェアと似ています。


また、正面を向いて座るだけでなく、体を斜めにして自分の足を放り出しリラックスした姿勢でも座れます。そう、ベアの手の下は太ももがピッタリはまる広さです。

この姿勢はよくインテリア誌で目にします。斜めに座るこの姿勢は意外にも楽なんです。


どんな体型の人がどんな姿勢で座っても心地いい。日本人のように畳に寝転んだりできない北欧の人には、このようなイージーチェアが重宝したとも言われています。晩年、ウェグナーが老人ホームに入所する際に持ち込んだ唯一の椅子がこのベアチェア。本当にウェグナーにとっては愛着のある1脚だったのかもしれませんね。

AP stolen AP19 ベアチェア ヴィンテージ


AP stolen社が廃業し30年くらい生産されていなかったベアチェアですが、2003年からPPモブラー社により復刻されています。こちらはPPモブラーによる復刻版ではなくAP stolen時代のヴィンテージベアチェアです。

生地はデンマークを代表する伝統的な織師のHanne Vedel(ハンナヴェデル)のものを使い、岐阜県高山市のレプラホーンチェアヒュッテでリペアされています。

抜群の座り心地とヴィンテージながら美しく状態のいい見た目です。

ミニベアチェア AP20
ベアチェアが母熊ならミニベアチェアは子熊


腰がラクで背もたれもちょうどよく、座り心地の良さで定評があります。長時間楽に座れるクッションと立ち上がりやすい座面の程よい傾き。ベアチェアは大きいなと感じる女性にも圧倒的な人気です。

現在は復刻されていますが、長らく製造が中止されていてなかなかお目にかかれなかった幻のアイテム。こちらも定価は100万円を超えるのであこがれの家具としても人気です。

AP stolen AP20 ミニベアチェア ヴィンテージ


過去に取り扱ったこのミニベアチェアは常連様が購入してくださいました。「とても素敵なチェアだ」とお礼のお言葉をいただき、その時はわたしも嬉しかったので思い出のあるチェアです。

GE290
数多くのソファの見本となった名作


ゲタマ製のソファは、ウェグナーがデザインした多くのソファの中でも一番人気といってもいいのではないでしょうか?

ゲタマのソファは1人掛けから3人掛け、そしてデイベットまで種類が豊富です。そして、どれも知名度と人気を維持し続けている北欧ソファです。

GETAMA GE290 イージーチェア 1Pソファ オーク材


なかでも定番中の定番と言えるGE290。日本では人気がありすぎてメーカーが同じような形のソファをたくさん作っていますが、こちらはもちろんゲタマ製の正規品です。

GETAMA GE290 イージーチェア 1Pソファ オーク材 ヴィンテージ


新品では味わえないヴィンテージ家具ならではの高級感が楽しめるヴィンテージのGE290。自分だけの特別なチェアをお探しの方、心の底からオススメです。張地にはRYGHYNDEのロゴが縫い付けられています。

GETAMA GE290 イージーチェア 1Pソファ チーク材 ヴィンテージ


チークフレームのヴィンテージアームチェアです。当時チークフレームのGE290は生産量が少なく世に出回ることが多くありませんでした。なのでこちらはとても希少です。座面・背もたれクッション共にコイルスプリングの入ったクッションが特徴です。

GETAMA GE290A ハイバックチェア 1Pソファ ヴィンテージ


GE375やGE290ローバック同様、座の延長が後脚になるウェグナーの得意とする構造が特徴。ふかふかなクッション性はありませんが、このデザインのおかげでゆったり長くくつろげます。ファブリックも高級感があって素敵ですね。クッションにスプリングが入っているなど、新品では味わえないヴィンテージ家具ならではの高級感があります。

GETAMA GE290 ラブソファ 2Pソファ ヴィンテージ


GE290の2人掛けタイプはなかなか当店でも入荷がありません。こちらの座クッションはコイルスプリングクッションなので、ウレタンよりも弾力性がありぽわんとした座り心地です。

ちなみにちょっと変わった名前のゲタマ/GETAMA。その由来はGedsted(町名)、Tang(海藻の意味)、Mattress(マットレスの意味)の頭文字をとったものだそうです。

GE258
機能と実用性を兼ね備えたソファベッド


わずかなスペースでソファ兼ベッドの役割をするデイベッド。通常はソファ、背もたれを上にスライドさせ持ち上げるとベッドとして使用できます。また、背もたれ内部に枕やブランケットなどを収納することも可能で機能的にも優れています。

GETAMA GE258 デイベッド


発売から50年以上たった今でも世界中で愛され続け、現在も生産され続けている人気のモデルです。

GETAMA GE258 デイベッド ラウンドレッグ


このデイベッドは、現在では生産されていない初期型の丸脚タイプ。ビンテージ感あふれる逸品です。

GETAMA GE258 デイベッド 籐


これ入荷した時はテンション上がりましたね◎オーク材の角脚、背もたれは籐で編まれている希少なタイプ。籐の部分や枠組がとても丁寧な造りです。藤の繊細さとオーク材の温かみが感じられるヴィンテージでしか入手することの出来ない希少な商品です。

GE375
ゆったりくつろげるハイバックタイプ

GETAMA GE375 ハイバックソファ 2Pソファ


GE3752人掛けのハイバック型です。社長と専務が仲良く座ってモデルになってくれました。

1台の両側にアームを付けることで両アームの1人掛とアームレスの1人掛というスタイルでの使用も可能で、セパレートも簡単です。シングルソファとしても使えるのでサイドテーブルと合わせても素敵ですね。

GE240
女性らしい優しいフォルム

GETAMA GE240 ラブソファ 2Pソファ ヴィンテージ


丸みを意識した美しい柔らかなフォルムは彼の作品の中でもどこか女性的なデザインが感じられます。やはり人気のウェグナーのソファは、近年手に入りにくくなっているようです。こちらの2シーターも市場では少なく希少です。

GETAMA GE240-3 トリプルソファ 3Pソファ ヴィンテージ


GE240ならではの美しいシルエットが魅力的な3人掛けタイプ。なかなか入荷の少ない希少なGE240。流線形の美しいアームデザインが取り入れられ、とても素敵です。今はこれに真似たソファがいろいろ出てますが、一度本物を知ってしまうと戻れません。

(文:柴田)

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