知っておいて損はない世界の家具ブランド【1】A-D

これであなたも家具ブランドマニアに

リスタイルは中古家具屋という特性上、国内外から様々なブランドの家具が入荷してきます。
通常の家具屋とは違い、一つのメーカーだけでなく様々なブランドの知識が得られるので、毎日がとても新鮮で刺激的。
インテリアを一つのメーカーで揃えるのではなく、たくさんのブランドからミックスのコーディネートを楽しめるのもまた魅力でもあります。さらに“中古”というだけで、新品よりもかなりお買い得にインテリアを楽しめます。

こういった様々な魅力的な家具をデザイナーたちが発表できるのもインテリアのブランドの存在があってこそ。
リスタイルで取り扱いのある有名ブランドを過去に入荷した商品と合わせて、イニシャル順に紹介していきます。

アルフレックス / arflex イタリア(1951年設立)

アルフレックスの始まりは、タイヤメーカーのピレリ社の存在がある。
ピレリ社は、かねてよりドイツとアメリカで研究されていた合成ゴムをヒントに成型ゴムと伸縮ゴムベルトという2つの素材について研究し椅子・ソファへの実用性を調査していた。その実験を依頼したのが、当時はまだ無名で弱冠32歳のマルコ・ザヌーゾ。
その後、家具製造会社「アルフレックス」が設立される。


それまでの家具が木、藁、パンヤや馬毛といった自然素材を用い、熟練した家具職人が作り上げるのが常識とされていた時代に新たな素材を用いて自由な形状を描く家具は人々に衝撃を与えました。
アルフレックスの代表作と言えば、マレンコのソファでしょうか?デザインやファッション業界の方にも人気で有名デザイナーとのコラボレーションなども多くおこなわれています。何とあのとんねるずの木梨憲武さんともコラボしてたりもします。
さらに驚くべきことにアルフレックス社は、従来の家具づくりのバックグラウンドを持つ者が全くいないゼロからのスタートということ。そこからトリアエンナーレなどで多くの賞を受賞し高い評価を得ていきます。


アルテック / artek フィンランド(1935年設立)

フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトが自作の家具を製造・販売するために、妻のアイノと資産家のマイレ・グリクセンらと設立。社名はArtとTechnologyを組み合わせてつけられました。



フィンランドのバーチ材を使ったシンプルで飽きのこない自然の温かみの家具たちを中心に、テキスタイルや照明、小物なども展開。ナチュラルでどこまでもオーガニックなアルテックの家具は、日本のインテリアにも馴染みやすく、リスタイルでも非常に人気が高いです。国内随一の人気を誇る北欧家具ブランドと言っても過言ではないくらいかと。


また、シンプルながらその考え抜かれた構造体は非常に丈夫で、何年もずっと安定して使用し続けられることも魅力。

ビーアンドビーイタリア / B&B ITALIA イタリア(1966年設立)

カリスマ的創業者ピエロ・アンブロジオ・ブスネリが、1966年にミラノで設立しました。
このブランドの最大のキーワードは「革新」でしょう。
創業当時からずっと、最先端の技術を活かして、最高の品質を追求しているブランド。低温反発ウレタンによる一体成形の開発に始まり高度な技術革新によって色褪せない家具を発表し続けている。



驚くべき多額な費用をかけて、世界中のデザイナーや技術者を迎え、緻密な研究と開発を行っています。決して名作の栄光に頼らず毎年新作を発表しつづけるという、創造力とバイタリティに満ちあふれるブランドです。

カール・ハンセン&サン / Carl Hansen & Søn デンマーク(1908年設立)

デンマークのオーデンセで家具職人でもある、カール・ハンセンが創業。貴族階級の城主や領主などに上流階級の人々にフレンチスタイルの家具を製造販売していた。1920年代後半からデザイナーとタッグを組んだ商品開発をはじめ、1949年よりスタートしたハンス J. ウェグナーとのパートナーシップで数々の名作を発表。


中でも1950年に発表されたYチェアは、世界で最も愛され続けている椅子と言える不朽の名作です。木材本来の持ち味を大切にする良質でデザイン性に優れた北欧を代表する家具メーカー。

カッシーナ / Cassina イタリア(17世紀設立)

1927年教会にある木製椅子の製造事業などをしていた会社を、カッシーナ兄弟がミラノで「Cassina.S.p.A」という社名で正式に会社化したことがカッシーナの始まり。早くからデザイナーと協働で家具をつくり、1952年に手掛けた豪華客船のインテリアをきっかけに工業的生産をおこなうようになります。

当時のイタリアでは、ちょうど世界大戦が終わり、時代とともに家具事業が職人の仕事から産業化していく最中。世の中の動きに合わせて、カッシーナはデザイナーとコラボレーションしつつデザイン性の高い家具を工業的に生産。世の中にカッシーナの家具が評価され始めます。

中でも有名な作品が、ヴィコ・マジストレッティデザインののマラルンガや、世界で最も軽い指一本で持ち上げられる椅子スーパーレジェーラなどです。マラルンガはリスタイルでもよく入荷しますがすぐに売れてしまう人気商品です。

現在も毎年イタリアの家具見本市ミラノサローネで、著名なデザイナーとともに新作家具を発表し、世界的に知られる歴史のあるイタリアのトップ家具ブランド。

また、「カッシーナ・イクスシー」は、イタリアの「カッシーナ」と独占代理店契約を結ぶ日本の会社。
つまり、日本で「カッシーナ」を販売する権利を持っているのが「カッシーナ・イクスシー」です。
「カッシーナ・イクスシー」は、「カッシーナ」以外にもセレクト家具や雑貨、オリジナル家具を販売。

クラシコン / ClassiCon ドイツ(1990年設立)

ドイツ・ミュンヘンに本拠地を構える1990年に誕生したブランド。アイルランド生まれのデザイナーで建築家のアイリーングレイが1920~30年台にデザインした家具やラグを取り扱うメーカーとして有名。
気鋭のデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っており、特にコンスタンチン・グルチッチによるミニマリズムの要素を活かしながら、機能と構造を絶妙に組合わせた個性的なデザインが高く評価されています。クラシックとコンテンポラリーの両翼からなるプロダクトがブランドの特徴で、機能的でありながら独創的なデザインで多くの名作を世に出しています。

デ・パドヴァ / De Padova イタリア(1956年設立)

フェルナンドとマッダレーナ・デパドヴァ夫妻がスカンジナビアンスタイルの家具やオブジェを輸入したことから始まり。
当初は、ウェッジウッドやアクセサリー類を販売していました。その後、当時のイタリアには存在しなかった、柔らかな温もりある北欧家具に魅せられたデパドヴァ夫妻によってカイボイスンやフィンユールなどの北欧家具の輸入を開始。ジョージネルソンやイームズに代表されるハーマンミラーの家具をイタリアに入れたのも彼らです。

ヴィコ・マジストレッティやアッキレ・カスティリオーニ、
パトリシア・ウルキオラなど名だたるデザイナーから、日本のnendo(ネンド)など、世界的デザイナーもデザインチームに加わっていました。イタリア発の北欧家具ブランドとして世界的にも大きく羽ばたいているのです。

ドリアデ / driade イタリア(1968年設立)

1968年に家具見本市ミラノサローネでデビュー。「モダン」の意味を追求した個性的なライフスタイルを提案し、イタリアの知的アヴァンギャルドとしてセンセーショナルなデビューを果たしました。経営者であるエンリコ・アストリ、その妹でデザイン担当のアントニア・アストリ、その妻で広告・PR部門を担当するアデライデ・アチェルビ。その結束力が成功につながったブランド。

1900年代後半のポストモダンの台頭の真っただ中に身を置きながらも、常に冷静に「モダン」の意味を問いつづけ、イタリアが誇るアヴァンギャルドデザインの最高峰として世界中で高い評価を得ています。

まだまだ挙げればきりがない家具ブランドですが次回はイニシャルFからの家具メーカー・ブランドを紹介していきます。

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