知っておいて損はない世界の家具ブランド【2】F-Z

フリッツハンセン / FRITZ HANSEN デンマーク(1872年設立)

1872年に若き家具職人フリッツ・ハンセンによって創業。 1915年には、軽量で丈夫な家具作りが可能なスチーム加工による曲げ木椅子を発表し成功を収めます。 1930年代には、当時活躍していたデザイナーたちとの共同制作を開始。 デンマークデザインの父と言われるコーア・クリントによるチャーチチェアや、ハンス・J・ウェグナーによる最高級の木工家具、チャイナチェア(1943年)など、数々の名作チェアを世に送り出していきました。 34年にアルネヤコブセンと共同作業を開始し、52年発表の成形合板のアントチェアが大ヒットしました。その後の進化系のセブンチェアがアントチェアを超えるロングセラー品に。82年にはポールケアホルムの家具の製造権を取得しさらに名のあるブランドになりました。 今でも数々の建築家やデザイナーと革新的な作品を生み出している、まさに北欧を代表する家具ブランドです。

ハーマンミラー / Herman Miller アメリカ(1905年設立)

元々は家庭向けの生産が主でしたが、家庭・オフィスを対象としたコンテンポラリーデザインの家具を扱う会社として成長していきました。 ジョージネルソンがディレクターを務めた1945年以降は、イームズやアレキサンダージラルドとも手を組み多くの名作を残しています。 世界的に名前が知られるようになったのは1994年に発表した「アーロンチェア」がきっかけ。当時はクッションを用いたワークチェアが当たり前だった中で、あえてクッションをすべて取り除いたデザインを採用し驚かれます。 その代わりに体のラインにフィットした、快適な座り心地が評価され、ハーマンミラーの名は世界中で知られるように。 現在でも高品質なオフィス家具メーカーとして世界中で愛されています。

カルテル / Kartell イタリア(1949年設立)

先創業者は科学者であったカステッリ。当初カルテルは車のパーツや生活用品を中心に製造していました。 プラスチック家具のパイオニア的存在といわれるKartell。世界中の著名デザイナーとのコラボも積極的にスタート 。今やKartellのデザイナーとして名高い、フィリップ・スタルク/Philippe Starckを迎え入れ、80年台にパステルカラーの半透明のプラスティック製品をヒットさせました。 現在もアントニオ・チッテリオや吉岡徳仁など、数多くの著名デザイナーとのコラボを積極的に推し進めています。 一目見ればすぐにKartellの家具だとわかるような、今や「プラスチック家具といえばKartell」と言われるまでに。

ノール / Knoll  アメリカ(1938年設立)

ドイツの家具メーカー、ウォルターノルの経営者の息子、ハンス・ノルにより1938年にニューヨークで設立された世界的なファニチャーブランド。ハーマンミラーと並んで20世紀のミッドセンチュリーモダンデザインを代表するアメリカの家具メーカーです。 ミース・ファン・デル・ローエ、エーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイアなど、当時の最先端を行く建築家やデザイナーとの画期的なコラボレーションで、バルセロナチェア、チューリプチェア、ダイヤモンドチェアなどの名作を生み出しました。現在でも完成度の高い家具を多数世に送り出しています。リスタイルでもチューリップチェアやテーブルはよく入荷し、とても人気が高いブランドです。

マジス / MAGIS  イタリア(1976年設立)

創業者ユージニオ・ペラッツァ氏によって1976年北東イタリアで設立。 イタリアに本社を置くデザイナーズ家具・家庭用品ブランドです。 「日常の製品にこそ、優れたデザインを」をテーマに、最先端の技術とデザインを日常の製品に取り入れ、インテリアデザインに新しい変化を与える商品を送り込んできました。 MAGISとはラテン語で「more and more(さらに、そして、さらに)」と いう意味。 現状に満足せずに、さらにそこから成長していこうとするMAGIS社の姿勢を表しています。 世界で数々の賞を受賞し、ニューヨーク現代美術館やパリ国立近代美術館など、世界のミュージアムでパーマネントコレクションに選出されています。

モーイ / moooi  オランダ(2000年設立)

マルセル・ワンダースとキャスパー・フィッサスにより、2001年に設立されたオランダを代表するインテリアブランド。オランダ語のmooi (美しいという意味の言葉)に”o”を一つ加え、さらなる美しさやオリジナリティのあるデザインを目指す意味を込めて名付けられたそう。アンティークやゴシック、オリエンタルなど様々なエッセンスと現代の先進的なデザインを融合させた作品は、大胆で遊び心があり、常識にとらわれない独創的なインテリア空間を演出してくれます。 ミラノサローネ国際家具見本市での発表の度に注目を集め、驚きとユーモアを効かせた独特の世界観で世界中の人々を魅了し続けています。近年は新進気鋭のデザイナーなども起用するなどますます幅広く活躍しそうな期待のブランド。

モローゾ / MOROSO イタリア(1952年設立)

1952年以来、世界の著名なデザイナー達と協力関係を築き、ソファをはじめとする上質なインテリアを製造しているイタリアブランド。アートやファッション等の要素を取り入れた斬新でシンプルなデザインは世界的に人気が高いです。 創設者のアゴスティーノモローゾと妻ダイアナにて設立され、現在は第2世代のCEOのロベルト、アートディレクターのパトリシアが率いています。製造工程へのこだわり、技術力の高さに定評があり、創業当初はオーソドックスな家具を提供していたが、80年代後半からオリジナリティあふれるデザイン家具へ方向転換しました。 戦後イタリアの起源「実行こそが成功の秘訣」の精神のもと、常に新しいアイデアに取り組んできました。ロンアラッドやカルロコロンボ、パトリシアウルキオラなど人気デザイナーとの商品開発も試みているそうです。 クラフトマンシップの要素と産業加工技術を組み合わせて、大胆でありながらユニークな製品を生み出しています。劇場など公共施設での人気も高いブランドです。

ポルトローナフラウ / Poltrona Frau イタリア(1912年設立)

1912年創業イタリアを代表するラグジュアリーブランド。イタリアで1912年に設立された長い歴史を持つメーカーで、商品には独特の柔らかさを持つ「ペレ・フラウ」と呼ばれる最高級の革を使用。空間をラグジュアリーに演出する家具のみに留まらず、アルファ ロメオをはじめとする高級車のシートの張り込みもおこなっています。 創業以来守り続けてきた伝統的な職人技を駆使して生み出される美しい家具は、世界中の人々を魅了し続けてきました。 フェラーリやマセラッティなどの高級車の内装や、EU議事堂、ブリティッシュ・ミュージアムホール、ディズニー・コンサートホールなど世界各国の数々の劇場やホール、有名ブランドの店舗の内装などを手掛け世界的に高い評価を得ています。 2018年3月には、日本初の路面店であり日本のフラッグシップストアとなる店舗を東京・南青山にオープン。

スウェデッセ / SWEDESE スウェーデン(1945年設立)

デザイナーでもあるイングヴ・エクストロームによって創業。パブリックスペースや一般の家庭に深く根付いている伝統的なスウェーデンの家具メーカー。スカンジナビアモダンの伝統をベースにしながら、シンプルで飽きのこないプライウッドの家具をメインに展開しています。近年は海外の著名デザイナーも参加し、日本からは深澤直人や伊藤節・志信が作品を発表するなど時代を反映し新しいイメージを打ち出してきています。最も有名なものは1956年から今でも製造され、世界中で販売されているLaminoアームチェア。1999年にはLaminoはスウェーデンのインテリアデザイン誌“Skona Hem”による「20世紀のベスト・スウェーデン家具デザイン」に選ばれています。現代の北欧デザインを語るのに欠かせないメーカーです。

トーネット / THONET ドイツ(1819年設立)

ミヒャエルトーネットにて設立。彼が開発した曲げ木の技術と、量産によりその曲木技術を完成させ、世界で初めて曲木家具の大量生産に成功したメーカーという歴史的な実績を持ちます。 中でも曲木の椅子「No.14」は大ヒットプロダクトとなり、1867年のパリ万国博覧会にて金メダルを受賞。これまでに1億脚以上生産販売されています。世界の曲木家具のアイコンとなりました。 1920年以降はバウハウスとのコラボレーションを積極的に行い、マルセル・ブロイヤーやミース・ファン・デル・ローエらとともに製品を開発。スチールパイプを使った家具を手掛け、チェスカチェアなど数々の名作を発表。現在も世界中で様々なデザイナーとコラボレートし、新素材・や技術の探求を続け、製品開発に挑戦し続けている。世界のトップブランドの1つとなっている。

ヴィトラ / Vitra ドイツ(1934年設立)

スイスで店舗什器の製造メーカーとしてスタート。創業者のウィリー・フェルバウムが、アメリカ旅行中に見たイームズの「プライウッドチェア」に衝撃を受け、イームズ製品のヨーロッパでの製造・販売ライセンスを取得したことがその後に続く家具作りのきっかけとなりました。 ジャスパーモリソンやジャン・プルーヴェ、イサム・ノグチなど世界的なデザイナーの創造性と自社の開発力によって製品を生み出し、ホーム、オフィス、公共スペースなど、現在は広くインテリア全般のプロダクトを手掛けています。 「ヨーロッパ最強のファニチャーブランド」と称され、ツールボックスやウーテンシロなどアクセサリーも豊富でPOPで、アートなインテリア空間を楽しむことができるブランド。現在は名作家具の復刻にも力を注いでいる。ミニチュアの椅子もコレクターもとても人気があります。

ザノッタ / zanotta イタリア(1954年設立)

60年代半ばから、家具の常識を覆すような革新的でポップでアーティスティックな椅子を次々と発表し、世間を驚かせました。1954年、アウレリオ・ザノッタ氏によってソファメーカーとして設立。自由な発想と技術力で驚くべき家具を世に送り出してきました。 その特徴は、60年代よりコラボレーションを進めてきた前衛的なデザイナーたちによる、美術とインダストリアルが高度に融合したプロダクトも評価されています。 代表的な例が、アッキーレ・カスティリオーニのダイニングテーブル「レオナルド」やスツール「メッザドロ」「サッコ」など。その後もエンツォ・マリ、スーパースタジオ、アレッサンドロ・メンディーニ、エットレ・ソットサスなど、歴史にその名を刻むデザイナー達の作品を多く発表し続けています。 中古家具屋である当店の大きな魅力として、こういった世界中のブランドの家具が入荷してくること。一つのブランドだけで揃えるのも素敵ですが、リスタイルにお越しいただけば、いろんなブランドの家具との出会いや自分では選ばなかったようなテイストのものが意外と良いと気がついたり。家具を選ぶときにそんなワクワクする気持ちも湧いてきます。 ネットショップでも、商品一つ一つ掘り下げてご紹介しています。中古一点ものの商品を1つ1つここまで掘り下げて紹介しているところも珍しいのではないでしょうか? そこまで手間と時間をかけるのは、ただ買い取って売る、という流れではなく、この家具のどういった部分が魅力で評価されてきたのか、経年によってますます魅力的になった部分、逸話など、そういった家具のストーリーまでもお客様に楽しんでいただけるように。そんな想いでページを作っています。 もっとインテリアや家具を選ぶのが楽しくなったり、生活が豊かになるような、ワクワクするようなそんなお店を目指しています。 「なんでこの家具こんなに高いの?…なるほどね、だからか。」「このデザイナーさんてこれも作ってるんだ?!」などなど。ぜひご紹介した家具のブランドを少し知っていただけるだけで、あなたのこれからの家具選びの目線も変わってくるかもしれませんよ。

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