木そのものの美しさ。ウッドボウルの魅力。

芸術品のように高値のつくものも。

彫刻のように木目の美しさや色、木の質感を楽しむことができるウッドボウル。
ダイニングテーブルに置いて果物を入れたり、ドライフラワーなどを飾ったり、アクセサリーケースとして異素材の対比を楽しむのもまた面白いです。
空のままでも、そこにそのものがあるだけで、視点の中心が定まり空間に緊張感が生まれる不思議さもあります。

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家具デザイナーでも知られるフィンユールなどの器も。

実は、家具の彫刻家と言われる家具デザイナーのFinn Juh/フィンユールや、カトラリーデザインのパイオニアにして木製玩具のデザイナーのカイボイスンの芸術的なウッドボウルがあるのはご存知でしょうか?

この二人の巨匠の名前が刻印されたウッドボールのシリーズはコレクター垂涎の品。
カイボイスンが自身の工房の製品として、フィンユールにデザインを由来したことで誕生したそうです。すごい巨匠が2人も合わさって作られたボウルはもはや芸術品の価値に至っています。

ウッドボウルのレジェンド。ボブ・ストックスデール。

ウッドターニングという言葉は、日本ではまだあまり馴染みの薄い言葉ですが、簡単に言うと、旋盤で木を削ること。
木工旋盤と呼ばれる機械で木を回転させ、削り、形をつくっていく技法です。
そしてそれを生業とする人が、ウッドターナーと呼ばれています。アメリカや北欧では、ウッドターナーが手がけたボウルは芸術品のように価値の高いものが多いです。

1913年生まれのアメリカのウッドターナー、ボブ・ストックスデール。木を知り尽くし、木に逆らわない彼の作品は、MOMAのパーマネントコレクションにも選ばれるほど。亡くなった今でも木工家や職人にも高い人気を誇ります。
彼は、木の切り株から自然が作り上げた美しい渦を見つけ出し、珍しいエキゾチックなボウルで知られています。
木は生き物。樹種や節、割れなど状態にも様々な個性があり、対話するように素材そのものと向き合う彼の作品は、目を見張るものがあります。

画像:album.

木の美しさへの追求。

そんな彼らへの憧れもあってか、家具を販売・製作しているリスタイルでも、ウッドボウルの試作を始めました。

日本には、古くから木の器を使ってきた長い歴史があります。日本のすばらしい伝統技術の一つである漆塗りは、食器としての実用に耐えるため漆は塗り重ねをして、その木肌をあえて隠しました。
このウッドボウルはその漆の美しさとは反対にあるような木肌を活かし、またその個性をあえて慈しむ、そんな魅力があります。

リバイブモブラープロジェクトの一環として現在改良を重ねながら製作中です。細部の仕上げは一つ一つ丁寧に職人の手によって制作します。
時間はかかりますが、そこに愛情と価値を感じていただければ。

ウッドボウルや食器など、細部の美しさや木の質感が身近に感じられるようにこだわったものを制作し、これらのプロダクトや家具が、この地球上の大切な自然からできているということを改めて実感していただきたいです。

循環していく世界。人間の勝手で、むやみやたらに自然を伐採するのではなく、その意味と価値、自然のありがたさや大切さを改めて実感できるようなそんなツールになれば嬉しいです。

そこにあるだけでも絵画や美術品のように凛とした表情を感じられる時もあるし、道具として頼もしい時もある。そんなプロダクトを制作中です。

9月からオープンするリバイブモブラープロジェクトの新しいお店にこれらのプロダクトも並びます。ぜひお楽しみに。

(文:柴田)


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