ヴィンテージ、中古家具からみる経年美化の魅力

幸福度の高い北欧の人々

毎年の幸福度ランキングで上位に位置する、デンマークやフィンランド。
北欧の国々では初任給でお気に入りの椅子を買う人が多い。と言われています。
日本でいう車でしょうか?高い椅子や家具をあえて買う。という行為が、まだまだ北欧やヨーロッパに比べて日本は意識が低いかと思います。
文化の違いでしょうか。日本人は椅子を生活道具として位置づけている人が多い気がします。北欧の人々は、家具を含めたインテリアの空間が大切な人と過ごす重要な場所としてとらえています。

社会福祉の充実など多くの要因があるかとは思いますが、空間と暮らしに価値を置き、大切に思うその考えが心の豊かさを生んでいる気がします。空間に価値を与えるだけで、人々の心は途端に豊かになります。お金をかける、広い家に住む、という訳でなく、とらえ方次第で豊かな生活が得られるということです。

経年美化という価値


リスタイルでは、新品ではなく中古の家具を扱っています。その中には時代を経てきてできたキズや汚れが多いヴィンテージ品も多くあります。最近では、ヴィンテージの時計なども扱っており大変人気です。

新品の魅力ももちろんあることを前提に、中古家具屋である私たちは、「中古」をマイナス要素ではなく、暮らしでついたそのキズを劣化と捉えるのではなく、「デザイン」や「アジ」、「経年美化」としてとらえています。新品にはない魅力もお客様に一緒に伝えられるようにと思っています。

古いものにこそ価値や物語がある


北欧やヨーロッパでは、建物をリノベーションしカスタマイズし、「古い建物に価値がある」と考える人がとても多いです。
日本でも骨董や書物など古いものを美として考える文化はあるため、古いものに価値を置く人が一昔前より、さらに増えている気がします。若い世代を中心に、古着やクラシックカーなどに魅了される人々が多いのと同時に、ヴィンテージ家具や中古の良質な家具の魅力にももっと目を向けてもらいたいと常々感じています。

他人の評価ではなく自分らしい価値観と感覚を


日本人は洋服やアクセサリー、車など、自分を着飾るものにお金をかける人が多く、それによって自信のない自分に「自信」をもたせている気がします。もちろん洋服やアクセサリーにお金をかけることを否定しているわけではありません。その買い物が「人と競争するためにだけのもの」だと寂しいと感じます。最新のもの、高いものを持っているかによって価値が決まるなんて寂しいですよね。
オシャレでセンスがあると言われる人は、新品・中古、流行にとらわれずに自分の五感を使って「いい!」と思うものを選び、暮らしや着飾るものに取り入れている気がします。
リスタイルでは、入荷した家具は大切に掃除をし、メンテナンスをし、アジのあるキズはそれを個性として、魅力として伝えられるように常に考えています。

心が豊かになる空間を


良質な家具を少しでも暮らしに取り入れてもらいたい。そんな考えでお客様に家具を紹介し提供しています。
新品の家具もありつつ、時代を経てきたヴィンテージ家具もその空間にマッチしている。自分なりにこだわって作った空間。そんなインテリアが素敵な空間だと思います。

北欧の人々は、お家で過ごす時間が長いことからもきているかと思いますが、前述した通りインテリアにとても価値を置いている気がします。そして厳選して選んだ家具にお金を惜しまない。一方で、自分で作れるものは作ってしまう。直せるものは直して使う。
その中で生まれる大切な人との暮らしを、より快適に過ごせるように工夫をしてされています。

古さの中にある価値や美


歴史あるものを大切に、暮らしとともに美しく使い続けていることが美徳と感じていただけるように。古きものに「価値」を置く。そういった価値観がもっと広まればいいなと感じます。

世界中の人々が京都に魅力を感じ訪れるのは、その「古さの中にある価値や美」にみんなが賛同しているかと思います。
古さの中にある価値がもっと浸透すればいいなと感じます。「このキズをどう残そうか」と趣向をこらして大切にする気持ちが増えればと。

便利になりすぎた世の中とあえて選ぶ「不便さ」


これから世の中は、どんどんIT化や機械化が進み、人々の仕事が半分以上なくなると言われています。もちろんIT化されることで、人々の暮らしは豊かになり経済は潤うことで幸せになる人々も多いでしょう。でもその中であえてする「不便」や「めんどくささ」も豊かさにつながると私は思います。
ヴィンテージ家具や中古家具を、大切に、愛着をもってメンテナンスしながら使い続ける、自分の趣味嗜好が変わったら、次に大切にしてもらえる人に使ってもらう。そしてまたお気に入りの家具を選ぶ。
メーカー問わずいろんな家具が入荷するリスタイルだからこそできるその面白さがあります。

世界が一変した2020年コロナ禍で、見直されたインテリア


2020年コロナ禍で、家で過ごす機会が増えて、仕事も家でするという人が増えたと思います。その状況下で心を豊かにするために、インテリアにより目を向けた人も多いのではないでしょうか。暮らしの中でできたキズを劣化と捉えるか美と捉えるか、その人次第ではありますが、リスタイルではヴィンテージ家具や良質な中古家具が、もっと人々の暮らしに浸透するように願っています。こだわって選んだ家具が、人々の暮らしを豊かにすると信じて。

SDGSの一つの目標「15 .陸の豊かさも守ろう」

自然を破壊し、利益を追い求めて生まれた“モノ”が、簡単に捨てられる世の中ではなく、自然からいただいた素材を大切に、上質に作られた本当にいいモノを大切に愛着を持ってメンテナンスしながら使っていく。次の世代に引き継いでいく。そして、その中でもっと人々の幸福度があがり、「幸せな国、日本」になるように。
そんな世の中になればいいですね。

(文:柴田)


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