あかりで心地いい空間を

あかりで心地いい空間を。

あかりや照明の重要性

「夜は昼にならない」
これは近代照明の父と呼ばれるポール・ヘニングセンの言葉です。先日見ていたNHKの番組で北欧の照明が特集されており、とてもハッとした言葉で印象的でした。

日本人は、空間全体を明るく照らすような天井直付けのお住まいが多いように思います。
幸福度が高い北欧の人々は、あえて夜の暗さを楽しむ暮らし方をしています。日照時間が短いことからもきていると思いますが、ライトひとつひとつの使い方や、キャンドルを炊く習慣など、 夜の時間を上手に楽しんでいます。
日本人も、昔からロウソク文化や囲炉裏文化がありますよね。細かな作業が得意だったり、北欧の人の意識は日本人の意識と似ている気がします。

備え付けの天井ライトや青白い蛍光灯で昼間のように部屋を明るくするのではなく、白熱球の温かみのある色をあえて選んだり、間接照明やキャンドル、複数の照明器具や調光を使って空間演出してみてはどうでしょうか。一気に空間に陰影が生まれ奥行きが出てきます。まるでアートのように変化したり、その空間が心地いいものに変わるのではないでしょうか?光が空間にもたらす効果は絶大です。

世界的に定評のある北欧デザインの照明PH5

PH5の接客していてよく聞かれる質問。
「PH5ってデザインは素敵だけど、明かさが暗いですよね…」これこそ、北欧の人と日本人のあかりに対する意識の違いではないでしょうか?
北欧のお宅では、ペンダント照明が日本よりとても低い位置に吊るされています。これは食事の時など、照らしたい部分だけ明るくできればいいという考え。
実際に光源が直接目に入らず心地よい光になるように、とても細かく設計されています。冒頭でご紹介した名言のデザイナー、ポールヘニングセン デザインです。
あたたかみのある電球でしたら実際にお料理も美味しく見えるのです。

炎の揺らぎは、極上の癒しをもたらしてくれます。


また、冬の長い夜にキャンドルを灯す時間を作ってみてはどうでしょうか?
北欧の人はキャンドル文化をとても大切にしており、お客様を招く時やくつろぎの時間を演出する際にはキャンドルは欠かせません。ゆらゆらと揺れる炎の火は癒しをもたらしてくれます。
現在(2021/01/15)、リスタイルにはイッタラのキャンドルホルダーが多数入荷してきました。コレクションされていたのでしょうか?とても素敵なものが多数あり、大切なものをお売りいただき本当に感謝です。
もうすでにたくさん売れていってしまっていますが、この入荷を機に、あかりの大切さを考えさせられました。

日本らしいあかりの楽しみ方。

日本人に昔から馴染みの灯篭や和紙の文化。イサムノグチのライトやジョージネルソンのバブルランプなどのような炎の光や自然光を和紙で拡散させ、広くて柔らかい発光を楽しむ文化は日本人らしい楽しみかと思います。
その文化こそ、今は忘れがちな夜の暮らしを楽しんでいた古き良き時代なのではないでしょうか。
日本は、日照時間も長く日差しも強いので明るめの照明が好まれるかと思いますが、暗い夜、煌々(こうこう)とした光は家の中に必要なく、夜の暗さを受け入れ陰影を楽しむ。そんな楽しみがひとつ増えるとインテリアを選ぶのがまた一段と楽しくなるような気がします。
備え付けのライトをそのまま使うのではなく、自分にあったあかりの選び方を今一度ご自身で考えてみるのもとても面白いと思います。

(文:柴田)

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